はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

逃げちゃダメ。

ここ数日、ワイドショーは芸能人のひき逃げ事故の話題が必ず出て来る。

伊藤健太郎?誰?というほど私は芸能界には疎いが、ちょっと古いけれど朝ドラの「スカーレット」で、白血病で死んでしまう健気な息子役を演じた若手の俳優さんのことだ。

その役のイメージで彼の事を見ていたので、

『あら、何やらかしたのかしら‥』と、一瞬心配したものの、

彼は、普段の態度がかなり傲慢だったらしく、ここぞとばかり叩かれている雰囲気。

一般の人が起こしたひき逃げ事故だったら、ここまで話題にならないけれど、たっぷり有名税を払わされている。

車で事故を起こしてしまったら、逃げたくなる気持ちもわからなくはない。

でも、逃げたらもっと悲惨なことになる‥ということが頭の中ではわかっていてもパニックになってしまったんだろうな。

 

うちも車の事故の加害者になってしまったことがある。

もう10年以上も前なんだけれど、思い出すと今でも腹が立つ‥『狼狽事故』。

『狼狽事故』というのは、視界が悪いなどの悪条件の重なった時や場所で起こった事故で、たとえ衝突していなくても加害者になってしまうこともある事故。

うちの場合は、某商業施設の左側の荒れ果てた林が視界を悪くし、見通しが悪い場所になっていた某商業施設の駐車場出口が、そのポイントになっていた。

その駐車場から、幹線道路に出ようとした時に事故は起きた。

駐車場出口と幹線道路の間には狭い歩道があり、車は歩道に半分ぐらいはみ出す形で停車して、右側から走ってくる車の流れが切れるのを待っていた。

その時、左側から歩道を走る猛スピードの自転車が突っ込んできた。

当初は、停車している車に自転車に突っ込まれ、車に大きな傷は付くし、被害者は自分達だと私は思っていた。

 

その時、運転していた夫は、瞬時に色々なことを考えたという。

まず、ぶつかったはずみで自転車の男性が幹線道路側に転んでいたら、交通量が多いので、他の車に轢かれていたかもしれない。(とにかく無事で良かった。)

相手が一方的にぶつかってきたとしても、車対自転車の事故だし、歩道にはみ出して停車していたので過失割合ではこちらは0にならないかもしれない。

相手は、かすり傷程度で自分の自転車を気にしているようなので、ここは事故扱いにしないで、自転車の修理代金として1万円を渡しておしまいにした方が、損害が少ないのでは?

仮に、過失割合を0と認めてもらっても、車の修理代金を回収できるか怪しい雰囲気なので、事故扱いにして免許に傷をつけるより、車の修理代と1万円の示談で泣く泣く収めた方が、いいのでは‥などと考えたんだとか。

そこで、相手に怪我の具合を確認すると、大丈夫ですと、言うので、自転車の修理代にと1万円を渡そうとすると、ズボンのポケットに入っていたデジカメが壊れたから補償してほしいと、言い出した。

その一言で『当たり屋』を疑い、示談交渉は辞めて警察を呼んだ。

 

しばらくして警察が来て、現場で事情聴取が始まった。

駐車場出口付近にこの商業施設の商品搬入口があり、たまたま荷下ろしをしていたので、目撃していた人も複数いて、駆け寄ってきてくれた。

車は停車していたことや、何度か、同じような事故でその商業施設のサイクルコーナーで自転車を修理したり示談にしているようだったことなどを証言してくれた。

『コイツ、当たり屋です。』と、言っているに等しかった。

でも、結果は、過失割合は10で車、加害者は車ということに。

 

arakannkoala.hatenablog.com

 

 

それは、この場所で起きた事故は狼狽事故になってしまうからだ‥ということを、その時初めて知った。

事故の対応に当たった警察の人も、『当たり屋濃厚だと思っても、本人が故意にぶつかりましたと言わない限り、この場所で起きた事故は狼狽事故として扱うしかない』と、言っていた。

現在、その林は、半分ぐらい伐採され、見通しが良くなっているので、もう狼狽事故の心配はなくなっている。

この時は、ホントに最悪で、結局その自転車男は、かすり傷程度なのに、通院補償欲しさに2か月毎日のように整形外科を受診していた。

そのせいで翌年の車の保険料はアップした。

保険会社から送付された書類から、ヤツの氏名、住所も分かったが、その商業施設のすぐ近くに住んでいた。

更に腹が立ったのは、後日、警察の他の部署から連絡があり、『先日の事故は、被害者のご好意により、人身事故ではなく、物損事故扱いにします。』と、連絡があった。

ご好意だって‥。

警察も部署が違うと、情報共有が出来ていないんだなあと思った。

 

 

‥と、伊藤健太郎クンのひき逃げ事故から、昔のむかつく事故を思い出してしまったが、その時対応してくれた警察の人が言っていたことを、書き記したい。

『どんなに小さな事故でも必ず警察を呼んで下さい。

今回のような事故で、お金を渡して示談にしたケースでも、相手が悪い奴だったら、

後から、ひき逃げ、当て逃げされたと言って、お宅の車のナンバーと共に通報してくることがある。お金のやり取りを書面で残すなどの証拠があれば別だけど、大抵は無いから、相手はウソを平然と付くし、車に傷が有れば立派に物証になるし、ひき逃げ事故として処理するしかない。

だから、どんな小さな事故でも、警察を呼んでください。』

伊藤健太郎クンみたいにひき逃げ‥なんてとんでもないけれど、相手も大丈夫だと言っていたから立ち去ったら、後でとんでもないことになるかもしれない。

また、仮に示談にしていても、ひき逃げ事故にされていた可能性もあったと思うと、怖いなあと思う。

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