はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

狼狽事故って知っていますか?

久しぶりに通りかかった某商業施設。

その隣にあった荒れ果てていた林が綺麗に伐採され、小さな神社のようなほこらが見えていました。

周りはすっかり明るく見通しが良くなり、これで、車にとっては悪夢のような条件が無くなるはずです。

10年近く前の話ですが、悔し過ぎてまだ鮮明に覚えている狼狽事故のお話です。

 

 

その某商業施設で買い物を終えて、駐車場から幹線道路に出ようとしたまさにその時、自転車が突っ込んで来ました。

車のお顔には大きな傷がついて、自転車でかっ飛んできたお兄さんは、転んだまましばらくは起きてこようとはしませんでした。

運転していた夫は、車にいきなり自転車が突っ込んできて車に傷がついてしまったことに大ショックを受けていました。

もちろん、その時は、止まっている車に相手が勝手に突っ込んできて、相手に非があるけど、車対自転車だから、1対9ぐらいの過失割合になっちゃうのかな、とか、車の傷の修理代を回収できるかなとか、瞬間に色んなことが、頭に浮かんだのですが。

結果的には、100%車の過失になりました。そんなバカな。

 

車から降りて、自転車のお兄さんに声を掛けると、痛そうな素振りをするもののかすり傷程度でした。

車の傷を申し訳なさそうに謝るものの、自転車もカゴがひん曲がり他にも修理が必要な雰囲気。

この時点では、私達が被害者のような気持ちでいたのですが、自転車のお兄さんが殆ど怪我をしていないし、謝ってきたので、警察沙汰にせずに自転車の修理代として1万円を渡しておしまいにした方が免許にキズがつかないし、車の傷は諦めようと夫は考えたようでした。

でも、その話を持ち出した途端に、そのお兄さん、実はポケットに入れていたデジカメが壊れたと言い出し弁償してほしいと言い出したので、警察を呼びましょうというと、弁償はプラス1万円でもいいとか言い出して‥。

かなりの胡散臭さを感じ、結局警察に来てもらいました。

 

 

110番をして状況と場所を説明すると、すぐにパトカーが来てくれました。

開口一番、『また、ここか、ここは事故が多いんだよね。』

事故といっても、誰も大きな怪我をしているわけでもないし、事務的な事情聴取が始まりました。

デジカメが‥と、言われた時点で当たり屋を疑い始めた私達でしたが、そこへ助っ人が現れました。

その某商業施設の駐車場の出口付近に、バックヤードの大きな入り口があり、丁度荷降ろし中だったので、お店の人が一部始終を見ていたのです。

私達が警察を呼んだので、お店の人は、『車はテールランプがついていたから絶対に止まっていた。この自転車の方は、今週2回も自転車の修理に来ている。週に2回も修理が必要な転び方をしているのは、おかしい。しかも、今週は事故っぽいトラブルを数回見かけているけれど示談にしている雰囲気だった。』

‥という証言をしてくれました。

誰が聞いても、当たり屋だと言ってくれたに等しいのだけど。

 

『この場所で起きた事故は、狼狽事故という扱いになってしまい、100%車の過失になる。極端な話、車の前で勝手にコケて怪我をしても、コケた本人が車のせいでコケたと申告すれば、車が悪いということになる。今回のように、当たり屋の疑いが相当濃厚でも、本人からわざとぶつかりましたと申告しない限り、事務手続上は、車の過失割合100%の人身事故になってしまう』とのことでした。

そんなバカな!

つまりは場所が悪かったのです。

この場所は、駐車場を出ると、幅2mもない歩道を挟んで片側2車線の幹線道路があります。

その幹線道路は中央分離帯があるので、車は左折しかできません。

当然車は、歩道に半分ぐらいはみ出す形で止まって右側からの車の流れが途切れるのを待ちます。

その時、車にとって左側から自転車がいきなりかっ飛んできてぶつかったのです。

車にとっての左側、その某商業施設の左側は、当時、荒れ果てた林で、手入れされていない木が歩道の半分くらいを覆い、さらに道路も微妙にカーブしていて、殆どの見通せない場所になっていました。

なので、土地勘の無い歩行者にとっては、林の向こうが全く見通せず、車が停車していても、いきなり車が出てきたということになるので、ここで事故が起こると、『狼狽事故』になってしまうということでした。

その後しばらくは、警察が店に指導したのか、捨て看板レベルでしたが、駐車場出口の看板を立ててありました。

隣の林をどうにかしてくれないと、根本的な解決策にはならないので、お店の利用を辞めました。

 

それにしても悔しくて、狼狽事故の存在を知って貰いたかったのですが、当たり屋さんにとっては、夢のようなポイントを教えてしまうことになってしまうので、苦々しく思うことしかできませんでした。

しかも、後日、警察の別の部署から連絡があり、『被害者から善意の申し出があり人身事故ではなく物損事故の扱いにしました。』だって。

現場の警察官は、私達と同じような感覚でいたのかなと思っていたのですが、別の部署の人には、そんな情報共有されていないどころか、善意の被害者になってるなんてね。

更にムカつくのは、かすり傷程度だったくせに、2ヵ月近く保険給付金目当てにほぼ毎日整形外科に通っていたようでした。

だから、次の年の車の保険の等級がぐんと下がって掛け金は大幅にアップしたし、車のお顔の修理に結構かかったし、きっとこの年はスペシャルな厄年だったのでしょう。

思いだすと、今でも、ムカつく〜。

 

でも、今回、久しぶりに某商業施設の前を通りかかり、隣の林が無くなり、見通しが良くなっていたので、もうあの場所は狼狽事故ポイントではないと思い、嬉しくなって、長々と書いてしまいました。

もう一つ付け加えると、あの時、警察を呼ばないで示談にしていたら、引き逃げ犯にされていた可能性もあったそうです。

そういうことをする輩は、お金を手にして納得して別れたあとに、しれっと警察を呼んで、車とぶつかったと申し出るそうです。

当然車に傷はついているし、物証証拠はあるけれど、お金を貰った事実だけは嘘をつき通すし、証拠も大抵ないので、警察としては、引き逃げ事故として処理するしかないんだとか。

だから、車のトラブルは、大したことないように見えても、必ず警察を呼びましょう。