うちの庭にまた、猫がやって来るようになった。
臭い落し物は今のところないので、まあいいかなんて思っているけれど、夫は許せない派。
今時、猫は、おうちの中で飼えよと思っている人。
うちは環境的には『トカイナカ』(そこそこ田舎の住環境でありながら、そこそこ都会な商業施設もある、まあまあ暮らし易いところ。)
ここに建売り住宅を買って暮らし始めた頃は、うちの周りは林だし、駅までいく間にやる気の無さそうなさつまいも畑が広がるようなところだった。
それが、林が駐車場になり、畑も切り売りされて家が建ち、残った畑も昨年から大規模な建売り住宅開発工事が始まっている。
現在、畑は更地になり、4m幅の道路も整備され、半年後には、大きく風景が変わっていそう。
家の周りの風景が変わっていくのと同時に外で猫を見なくなった。
息子達が幼い頃は、よく猫を見かけた。
うちの近所の飼い猫の黒猫の『クロちゃん』
そのお宅で飼われていた犬に懐いて住み着いたと、近所の人は言っていたけど、
飼い犬の名前が『クロちゃん』だったせいか、名前を呼ぶと、2匹揃って目を合わせてくるとかで、猫のクロちゃんも飼い猫ってことにしたと言っていた。
うちのお隣さんも大の動物好き。
今まで犬を2匹、猫は入れ替わり立ちかわり、5、6匹は飼っている。
犬も猫も保護犬とか、捨て猫を引きとったりしていて、多分凄く愛情をかけているとみえ、凄く無防備で、性善説を信じていそうな犬や猫ちゃん達。
だから、しょっちゅううちの庭にも猫がはいり込んできて幼い息子達も喜んで猫と遊んでいたし、猫も身体をぶつけてきて、猫なりの愛情表現をしてきた。
猫も大人になるにつれて、だんだん素っ気なくなってくる。
私自身が猫を飼ったことがないので、全くの傍観者ということもあるけれど、
猫も幼稚園児ぐらいの悪ガキは、ホントは苦手なのかもしれない。(笑)
そんな中、お隣さんの猫の1匹が、超ブサイクだった。
通信会社のコマーシャルのふてにゃんみたいなぶさかわ系でもなく、正真正銘のブサイク。
猫を飼ったことがない私にとって、普段目にする猫がペットショップの可愛い子猫だったり、ネットに投稿されている可愛い猫ばかり見ていたせいか、余計、ブサイクに見えたのかもしれないけど。
お隣の話だと、当時小学生だったお嬢さんが捨て猫を見つけ、手分けして保護することにしたけど、この猫は誰も引き取らないと思って真っ先に引き取ったと言っていたので、やっぱりブサイクちゃんだったのだろう。
そのブサイクちゃんも、お隣で、凄く可愛いがられているとみえ、無防備にうちの庭に入ってきて悠然と縁台でまったりしていることがあった。
私は、猫が居るぐらいにしか思わなかったけれど、夫は、『汚ったない顏の猫がいる』と、追い払う。
ブサイクちゃんにも悪意が伝わるのか、そこから、夫vsブサイクちゃんの戦いが始まった。
夫はブサイクちゃんを見かけると追い払う。ある時は、網戸越しにコップの水をかけようとして、網戸に弾かれ床がびしょ濡れ。(笑)
ブサイクちゃんも嫌がらせのように庭に臭い落し物をして行ったり、車の下に草を吐き戻してあったこともあった。
猫よけの薬を撒いたけれど、臭い柑橘系の臭いに人間の方が参ったり、猫よけのトゲトゲを置いてみたりしたけれど、全然ダメ。
数年は、vs猫という生活をしていたけれど、気がつくと外で猫を見る機会はぐっと少なくなった。
猫のクロちゃんもある日忽然と居なくなったんだそう。
ご近所さんが言うには、猫は自分の死期を悟ると、居なくなって何処かで人知れず死んでしまうらしい。
お隣さんの猫達も、ある猫は認知症になったと言っていたし、それぞれが天寿を全うしたようだった。
ある時、町内会の同じ班のお宅の前で、猫にハーネスと長めのロープをつけている姿を見かけた。
多分アメリカンショートヘアだと思われる美猫ちゃん。
家の中で飼っているので、時々こうして外に出してあげると言っていた。
夫はこれが正しい猫の飼い方だというけれど。
かつてのような、猫に懐かれたから飼うとか、どこか緩い飼い方をするというのは、今はもう許されないのかな。
そういえば、犬も室内飼いが当たり前になり、かつては、庭に犬小屋があったけれど、
今は外に出しっ放しは、虐待扱いされることもあるという。
なんて、思っていたところに、また猫ちゃんが庭に入ってくるようになった。
この猫のお気に入りは出窓の下のエアコンの室外機の上。
室外機に直射日光が当たらないように、出窓に長めにすだれをかけているので、出窓とエアコンの隙間をすだれで隠すような狭苦しい場所。
久しぶりに外で放し飼いの猫に出会った。
夫にみつかると、追い払われちゃうから、縁台でまったりしちゃダメよ。(笑)
でも、何処の猫ちゃんかな?
お顔をみると、申し訳ないけれどブサイクちゃん。
きっと、お隣さんの新しい猫ちゃんなんだろうな。(笑)