はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

グルメな小鳥〜鳥の味覚〜。

数年前のこと。

お隣さんの家の屋根の隙間にスズメの巣が出来たようだった。

ある時から、ジュジュジュ‥というような声が聞こえるようになり、時々スズメがお隣さんの家の入り組んだ屋根の隙間に入って行く。

しばらくすると、ジュジュジュ‥というような声も大きくなり、その存在が空気のように日常になった頃、1羽の子スズメが庭に取り残されて必死に鳴いていた。

声に気がつき近づこうとすると、子スズメちゃん、必死に逃げる。

でも、縦には飛べず、横に飛んで移動する感じ。

多分、巣立ち直前だけどまだ、ちゃんと飛べないのに、巣から出てしまったという雰囲気。

お隣の屋根の上では親スズメがこちらを伺っていた。

私が家に戻ると、親スズメは子スズメの元に頻繁にやって来て餌を食べさせていた。

そして、庭木がだらしなく茂っている所まで、子スズメを誘導しているように見えた。この子スズメちゃん、鈍臭男か、鈍臭子だったようで、高い場所には移動出来なかった。

うちの庭は結構猫が入り込むし、見つかったら命はない。

せめて、猫の通り道になっている所に園芸用の猫避けのトゲトゲを敷き詰めたり、残っていた不快な柑橘系の臭いの猫避けを撒いて、遠くから見守ることにした。

数日は親スズメが甲斐甲斐しくお世話をしていたが、朝から留守にした日の夕方、子スズメが居なくなり、親スズメも来なくなった。

心配だけど、きっと無事に飛び立っていったんだろうな‥とノーテンキに思うことにした。

 

図らずも、その数日間は、スズメの観察をすることになった。

身体の大きさは親スズメも子スズメも大差無かったが、子スズメは頭の毛がピンピン立っていて何となくふわふわしている感じだった。

親スズメも餌をくわえて頻繁にやってきていたが、当たり前だけど、可愛い顔して気持ち悪い虫をくわえている。(笑)

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そして、秋が来て冬が来たころ、冷凍庫で、何ヶ月も忘れ去られていた食パン1枚を発見。

多分冷凍焼けしているだろうし、美味しくないだろうし‥ということで、解凍して細かく切って柿の木の根本に少しづつ撒くことにした。

 数日すると、スズメがやって来るようになった。

でもすごく用心深い。

カーテン越しに人影が動いただけで飛び去ってしまう。

それでも自然の世界では餌が少ない冬は、パンくずは御馳走とみえ、夕方には綺麗に食べ尽くされていた。

そうなると、こちらも嬉しくなり、その冷凍パンが無くなると、賞味期限がきれたクッキーとか、中途半端に残っていたお菓子など、スズメが食べ易いように、5ミリ角ぐらいのみじん切りにしてタッパに用意して朝、撒くような習慣になっていった。

そのうち、スズメだけではなく、キーキーうるさく鳴くヒヨドリとか、メジロも来るようになり、気分は、バードウオッチャー。

スズメやメジロヒヨドリに蹴散らされている雰囲気だったが、共通するのはとても用心深いこと。

部屋の中を歩いただけで、カーテン越しに気配を感じとり逃げて行ってしまう。

だから、鳥が庭にくると、まず柿の木にとまり安全確認をしているので、その時点で、リビングにいる人間も動かずに息を詰めて見守るような感じになっていた。

 

最初は冷凍焼けした食パンから始まった餌も賞味期限切れのクッキーとか豆菓子になり

とうとうお菓子類はきれいに消費して貰った。

でも、スズメやヒヨドリは毎日やって来る。

そして次は、どうしよう‥。

いよいよ撒くものがなくなったので、持て余していたビタバアレを撒いた。

ビタバアレって麦をペッチャンコにしたようなもの。

正直にいうともち麦をご飯に混ぜて炊いたら意外に美味しかったので、次はお店で隣に置いてあったビタバアレを買ったものの、家族から大ブーイング。

確かに美味しくない。(笑)

でも、食べ物を捨てるとバチが当たるような気がして長い間放置プレイされていた。

そこで、小鳥さん達に食べていただこうと思い、柿の木の下に撒いたのだけど。

超不人気。食いつきが悪く、夕方でも沢山残っている。

堅いのかなあ?

気分転換にやはり放置プレイされていた中途半端に余ってとっくに賞味期限の切れた高野豆腐も、わざわざ戻して柔らかくして5ミリ角に切って撒いたのだけど。

ちっとも食べていない。

でも、ヒヨドリはキーキー鳴いて来ているしスズメも来ている。

食パンやクッキーと比べたらビタバアレや高野豆腐は美味しくないよね。(笑)

で、わざわざ食パンを再度撒いてみるとガッツリ食べている。

どうやら、グルメな野鳥にしてしまったみたい。(笑)

 

そこでふと、思ったのが鳥って味が分かるのかなあってこと。

鳥がミミズを丸呑みしている映像や、実際にスズメがドヤ顔で?ガガンボ(蚊を大きくしたような虫)らしき虫をくわえている姿を見たことがある。

それと比べたら、ビタバアレや高野豆腐の方が遥かに美味しいはず。(笑)

しかも生意気に、お菓子にも好みがある。

どうやら甘いもの好き。

クッキーや落花糖(ピーナツを砂糖でコーティングしたお菓子)は、大人気。

湿気てしまったお煎餅は、細かく砕いて撒くと、『食ってやったぜ。』という食べっぷり。

ってことは、甘い味は分かるし好きな味なのかな。(笑)

で、調べてみた。

鳥の多くは旨味以外の4つの味(塩味、酸味、苦味、甘味)を感じることができる。

味を感じる為の味蕾は、鳥は必ずしも舌にあるというわけでもなく、丸呑みすることが多いので、くちばしとか、呑みこんだ食べ物が口内で最初に接するところに存在している。

また、その感度も様々で、インコ類は結構グルメで、同じ穀類でも産地が変わると食べっぷりが変わることもあるんだそう。

逆にオウム類は、鈍感なのか辛さを感じないのか、乾燥した唐辛子をバリバリ食べたりする。

‥なんですって。

 

 

先日、ホームベーカリーが初めて美味しくないパンを焼いて下さった。(笑)

多分、ドライイーストが古かったせいかもしれないけれど、膨らみの悪いパンは美味しくなく家族は食べてくれないので、また、久しぶりに細かく切って柿の木の根本に撒いている。

早速、ヒヨドリがやって来るようになって、なかなか良い食べっぷりで嬉しくなっていた。

そして、パンくずがあると、毎年食べに来る庭木のキンカンには目もくれない。

やっぱり、鳥にも味の好みがあって好きなものから食べていくんだなあ‥なんて思っている。

 

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