今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
母方のおばあちゃんは、大森(東京、蒲田の隣の大森)に家があったので大森のおばあちゃん。
父方のおばあちゃんは、志木(埼玉県の志木市)に家があったので志木のおばあちゃん。
大森と志木のおばあちゃんは、対照的なおばあちゃんでした。
思い出が多いのが大森のおばあちゃん。
母は女4人、男1人の5人兄弟だったせいか、親戚の交流が盛んでした。
皆、都内に住んでいたこともあり、私が小学生の頃は、毎年夏は熱海に一泊旅行、クリスマスはお食事会、お正月は元旦の翌日におばあちゃん宅に集合すると決めてあったようで、年に3回は、親戚一同、顔を合わせていました。
今思えば、同居していたおじさんの奥さんは大変だったと思いますが、おかげでいとこ同士、仲良くなれたことを感謝しています。
大森のおばあちゃんは、おおらかな人で、ちょっとぐらい散らかっていても、孫があそびに来ればwelcome。
缶詰めの桃が入った牛乳寒天が思い出の味。
おじいちゃんが、昔かたぎのちょっと怖い人で、いとこ同士で大騒ぎしてよく叱られたものの、おばあちゃんは、おっとりニコニコのイメージ。
私の中では、絵描いたようなおばあちゃんでした。
印象的だった出来事はおじいちゃんが亡くなった時のこと。
まだ私が小学生の頃のことで、お葬式は、大森のおばあちゃんの家で執り行いました。
親戚一同が集まり、部屋を分けて、大人だけの部屋、子供だけの部屋で食事などをしていたのですが、食事中は、和やかそのもの。
子供だけの食事となると、なんだか楽しくていとこ同士で盛り上がってしまい、隣の大人部屋から、『静かにしなさい。』と注意され、しばらくしゅんとしていると、隣の大人部屋から大笑いしている声が聞こえてきます。
思わず顔を見合わせるいとこ達。
お坊さんがやってきて、葬儀の節目、節目では、おばあちゃんもおじさんおばさん達も大泣きしていて、大人達の態度の落差の激しさにびっくり。
でも、心がこもったお葬式だったんだなあ‥と感じさせる雰囲気に溢れていました。
いとこ達も中学生になると、お正月に顔を合わせられるか、どうか‥という感じになってだんだん疎遠になって行きました。
その次に大森のおばあちゃん宅に行ったのは、おばあちゃんが亡くなる少し前。
88歳、老衰。大往生と言える幸せな最期でした。
亡くなる数日前から、『もうご飯は食べたくないの。』とか、『おじいさんが迎えに来た。』などと、穏やかに話出したので、同居していたおじさんが、心配して皆に連絡し、おじさん、おばさん達が一通り顔を出した翌日に、そのまま目が覚めなかったという亡くなり方をしました。
お葬式は、いとこ達は、年齢的、社会的にも出席が難しく、おじさん、おばさんの世代でお見送りしましたが、和やかだったとのことでした。
そして、数年前、おじさんが亡くなりました。
おじさん、おばさんの世代は、皆さんご長寿ながら、葬儀参列は厳しく、代理出席でいとこが揃いました。
年賀状のやり取りはあっても、20年とか30年ぶりの再会でした。
葬儀は一般の葬儀場でしたが、一瞬にしてタイムスリップして、〇〇ちゃんと、お互いをちゃん付けで呼び、お葬式なのに和やかな空気が流れていました。
よく考えると50代のおっさんとおばさんがお互いをちゃん付けで呼び合う姿というのも、何だか気持ち悪くはあるものの、こうした人間関係の基礎を作ってくれたのが、大森のおばあちゃんであり、同居していたおじさん夫妻だったんだなあ‥と、皆で感謝したものです。
翻って、父方のおばあちゃんはあまり思い出がないのです。
志木のおばあちゃんは、多分、元お嬢様だったようで、いつも家は綺麗に片付いて、『遊びに行く』と、連絡しても、先に他のいとこ達が来ることになっていたら、ちゃんとおもてなしが出来ないから他の日にして‥というタイプの人でした。
当時蒲田に住んでいたので、埼玉県の志木は遠く、乗り物酔いする子供だった私は、志木に行くのを修行のように思っていました。
だから断られると、内心ラッキーなんて思っていたほど。
決して志木のおばあちゃんが嫌いなわけではなく、でも、子供心にちゃんとしなくっちゃ‥と思わせる何かがあったような気もします。
やっぱり1番の理由は、乗り物酔いする子供にとって、蒲田から志木は遠すぎる、修行だあ‥の思い。(笑)
大森のおばあちゃんの家は、蒲田の隣だし‥というのが1番大きかった気がします。
それと、残念だったのが、いとこ同士、顔を合わせる機会が殆どなかったこと。
父も男3人、女2人の5人兄弟でしたが、転勤族だったり、おばあちゃんが、わちゃわちゃみんな集まれ‥というのを好まなかったので、一度も会ったことがないいとこの方が多いのです。
もし、その辺ですれ違ってもお互いに気がつかないだろうなあ‥という感じです。
私も年齢的には、おばあちゃん世代に片足を突っ込んでいます。
もし孫が出来たら、大森のおばあちゃんみたいに、多少散らかっていてもwelcomeで、しつけは子供世代に任せて甘やかし担当になろうと、夫婦で妄想しています。
そして、出来れば、息子ファミリー達の交流の場になってくれるといいなあ‥などと、どんどん妄想は膨らんでいます。
でも、息子達に、結婚の気配すら無い。(笑)
私のおばあちゃん道はまだまだ先のようです。