今日は、朝から青空が広がり、蝉が元気よく鳴き、やっと夏!という天気になった。
暑いのは苦手だし、大嫌いだけど、今までがどんより曇り空なので、嬉しくなって、朝から山盛りの洗濯をした。
だけど、関東は、週末は台風接近が予想されていて、天気は下り坂だし、梅雨明けもお預けらしい。
らしくない7月ももう下旬。
こんな青空の日は、青と白のお山はさぞ綺麗だろうなぁと思う。
息子達が幼い頃のこと。
次男は、もの心がついた頃から電車loveで、踏み切りの前で何時間でも佇んで、電車をうっとり眺めていられる子供だった。
勿論、そんな長い間、踏み切りで佇んでいられないので、電車の絵本がお友達。
子供向けの電車の絵本といえば、新幹線は必ず主役級で、大抵、富士山を背景に颯爽と走っている。
だから、次男は青と白のお山、富士山をうっとりと眺めていた。
そんな様子をいつも見ているので、間近で富士山を見せてあげたいと、親バカ心にいつも思っていた。
うちから富士山が見えないわけではない。
冬の晴れた日、遠くに小さく見えることがある。
見えない日の方が多いから、見えた日はラッキーなんて思う。
だから、富士山の麓まで遊びに行けば、桁外れに大きくどーんと現れる富士山、絵本の通りの富士山を見たら、きっとうっとり眺めてくれるだろという姿を想像して、それだけで嬉しくなる親バカモードになっていた。
今日のような夏のある日、雪はないから青だけのお山かもしれないけれど、富士山を見に行こうと、頑張って早起きしてお出かけした。
距離的には極端に遠いわけではないのだけど、うちから車でお出かけする場合、東京を通過しなくてはならないので、渋滞とか、精神的なハードルが高かった。
朝から、ぴーかんの青空が広がり、早起きのおかげで順調に首都高に乗って、東名に乗った。でも、空がどんどん白くなっていく‥。
この日は、確か山中湖だか、河口湖が目的地だったが湖の背景は真っ白。
『ホントはこの後ろが全部青と白のお山でね、大きく見えるんだよ。』
『お山、無いね。』
近くで見たことがないのに、真っ白なお空の向こうに富士山がどーんとある姿なんて、幼稚園児に想像しろと言っても無理に決まっている。
この日は、車でどこかの滝とか洞窟に行ったしソフトクリームも食べたし‥と、息子達は富士山を忘れて楽しい1日になったようだった。
それからも親バカのリベンジは続いた。
ほぼ毎年、夏は伊豆高原の会社の保養所に宿をとってそこから海やら山へ出かけていたので、天気とにらめっこして、今日のような青空の日は、富士山が見えそうなルートに変更して帰路についた。
それなのに、ホントは目の前が富士山がどーんと見えるんだよというスポットに近づくにつれて、またもや白いお空に。
そこは、子供だから、ドライブインで、ソフトクリームを食べたり、普段は出来ない山盛りのお菓子を買って車の中で好きなだけ食べたりという非日常が嬉しくて、それなりに楽しそうで、親バカのリベンジの努力なんて微塵も気がついていない。(笑)
また、ある年は富士山に行くことにした。
よく考えると、ハイキングとか、登山とかしたことがない、私達夫婦。
富士山に行くと言っても当然、車で5号目まで。
この日も、うちを出発する時は、綺麗な夏空だったのに、富士山に近づくと、またもや白いお空になってしまった。
そして富士山の5号目の駐車場に車を入れて、付近の散策。
この日は雲が多く、眼下に雲が浮かぶ姿に、お山が見えないんだねーと、納得したようだった。
そして上を見上げると、ゴツゴツした岩山があり、登って行く人達もいる。
『このお山に登るの?』
見事に嫌そうな顔をしている息子達。
さすが、私達の子供。私だって、こんなハードそうな登山したくない。(笑)
でも、雲より高いというインパクトと、途中の寄り道と、お菓子と‥。それなりに楽しい1日になったようだった。
でも、この日のことを、次男が絵日記に書いていたが、内容は、夕暮れどきにコウモリが飛んでいたこと。
富士山でも、雲でもなく、ゴツゴツの岩山でもお菓子でもない。
夕暮れどきにうちの近辺まで戻ってきた時に変な飛び方をしている 鳥を発見。
『あれ、何?』
『コウモリだよ。』
長男も次男も釘付けになっていた。
いつも飛んでるのに‥。
いつもは、この時間はお風呂に入っているので、初めて見たらしい。
息子達にとって、コウモリのインパクトが大きかったらしく、富士山はふきとんでしまったようだった。
まあ、これが、子供だよね。とは、思うものの、夫の富士山を見せてあげたい親バカビームは急速にしぼんでしまった。(笑)
その後、息子達は、それぞれ修学旅行で箱根に行ったり、友達と富士急ハイランドに何回か行ったりと、青と白のお山がバッチリ見えそうなところに何回か行っているのだけど、いつもお空は真っ白で、未だに憧れの青と白のお山のままでいる。