今週のお題「クリスマス」
今年も、もうすぐクリスマスがやって来る。
大人だけが暮らしている我が家はクリスマスの気配はチキンとケーキだけになってしまった。ツリーは何年も出していない。(食べ物だけはしっかり継続しているけれどね。)
そのせいか街を歩いていても、目に入るのは大掃除グッズとか鏡餅などのお正月用品ばかり。
元サンタクロースとしてはちょっと寂しい。
息子達は社会人5年生と4年生。
かつては、クリスマスを心待ちにして、夜更かししてでもサンタクロースに会いたい‥とか、プリティー光線放射しまくりの時期があったんだけどなあ。(笑)
この季節になると、子供達の喜ぶ顔を見たい一心で秘密裏にプレゼントの調達に励んでいた頃が懐かしい。
我が家にサンタクロースがやって来ていたのは、息子達が小学校6年生まで。
大人は、自分で貯金したりお仕事をして自分で買うことができるから、サンタクロースさんは子供だけにしかプレゼントを用意していないんだよ。
中学生になると電車やバスの運賃が大人料金になるから、サンタクロースさんは大人の仲間入りしたと思うみたいだよ。
‥なーんて話を息子達にしていた。
小学校の低学年のうちは、そもそも小学校を卒業したら中学生になるということもあまり意識していないし、プレゼントの期待感で頭の中がいっぱいになっているので、そんな話聞いちゃいない。(笑)
サンタクロース1号と2号は手分けしてリサーチと調達を嬉々としてスタートする。
まずはプレゼントのリサーチ。
サンタクロースさんが間違えないようにツリーに欲しいモノを書いておいた方がいいよね。‥なーんて言うと、こういうことだけはフットワークも軽く、七夕の短冊のようにいくつもリクエストがぶら下がっていた。(笑)
小学校の卒業文集に将来の夢はゲーセンの店員さんと書いて、親を苦笑させた長男はゲームソフト1択。タイトル指定も怠らないので、ある意味楽。
問題は次男。
彼は物心ついた頃からの鉄ちゃんで、踏み切りに佇み何時間でもうっとりと電車を眺めているような子供だった。
幼稚園の年齢になると電車を〇〇系と呼ぶほどのガチな鉄ちゃんの片鱗を見せていた。
憧れの職業は新幹線の運転手さん。それも500系のぞみ号限定。(現在はこだま号となり大阪以西を走っている、北陸新幹線をもっとスタイリッシュにしたようなカッコイイ新幹線。)
だからといって単純に新幹線という訳ではなかった。
ある年は、サンタクロース1号が気まぐれで蒸気機関車のNゲージ基本セットを用意しちゃったから、更にややこしくなった。
当時、関東の通勤圏で走り始めていた231系(高崎線とか宇都宮線)のNゲージがいいとか、八高線がいいとか。‥
プラレールから早々と卒業してしまったので、リクエストがやたらとマニアックになっていた。
サンタクロース1号、2号は殆ど『鉄分』がない。
八高線と言われた日には、『なにそれ?』状態。
もうすでに鉄道ファンという雑誌を買い始めていて、(勿論、記事は読めないけれど電車の写真はうっとり眺めていた。)その雑誌で八高線に一目惚れしたらしい。
ちなみに八高線は八王子と高崎を結ぶ路線で、当時は白っぽい電車だった。
やっぱりマニアックすぎて、クリスマスまでにということでお店に予約を入れた。
なんとか、プレゼントの調達のメドが立ったところで、気になるのは、金額差。
Nゲージはさすがに高い。
今は金額差に気がつかないだろうけれど、大きくなった時に、長男はどう思うかな?
結局、長男には複数のゲームソフトを用意した。
我が家は兄弟も転勤族だったのでお年玉のやり取りがあるのは双方のおじいちゃん、おばあちゃんのみだったので、ちょっと甘いかな?と思いつつも高額なプレゼントを用意したサンタクロースだった。
そんなクリスマスも卒業する時が来た。
長男が中学生になった年。
サンタクロースの涙ぐましい努力により、長男も6年生までサンタクロースさんからプレゼントを受けとっていた。
最後の年は、サンタクロースさんが窓から出て行く姿を見たらしい。(笑)
でも、中学生になると、彼は急に大人になった。
次男にサンタクロースさんはいないと言いかけたものの、その先の言葉は飲み込んでくれていた。
次男は、長男にサンタクロースさんが来ないかもしれないことを心配していた。
『お父さんがゲームソフトを買ってあげる約束していたから大丈夫だよ』
その年は、次男にしかサンタクロースさんは来なかったので、次男も納得して、この年に卒業となった。
その後、中二病になりかけたり、金髪ちゃら男の大学生になったりしたもののあっという間に社会人。
次男は、現在駅員さん。
あれ程、うっとりと電車を眺めていたのに、今は電車のカレンダーを自室に貼るのも駅事務所っぽくて嫌だと笑う。
長男はゲームセンターの店員さんにはならなかったけれど(笑)、意外とお堅い職種について、相変わらずのゲーム好き。
サンタクロース1号は、息子達からゲーム機とソフトをプレゼントされ、『ゲームじじい』になった。
サンタクロース2号には、まだプレゼントは届かないけれど(笑)、幼い息子達のプリティー光線にやられて、秘密裏に準備した楽しい思い出があるからまあ、いいか。
結婚できるかなとか、貯金しろよ、とか、細々と心配事はあるけれど、とりあえず無事に大人になってくれたことが最大のプレゼントだと思っている。