はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

何処の誰だかわからないけれど、安否が気になっています。

東日本大震災の日、私が住む街は震度5強の揺れだった。

テレビでは津波の恐ろしい映像が流れ、首都圏では歩いて家路につく帰宅難民で溢れかえる映像が流れた。

私達家族は、夫はたまたま有休をとっていたし、長男は大学受験から解放されて自宅でゲーム三昧、次男だけが学校にいるのか、予備校にいるのか分からなかった。

結局、次男は5時間以上かけて歩いて帰宅し、車で迎えにいこうとしていた私達とはすれ違ってしまったが、無事に連絡が取れた話を昨日のブログに書いた。

今日は、長男の話を少し。

 

震度5強の揺れが来た時、長男は、自室でオンラインでゲームをしていた。

チャットだったのか、会話が出来ていたのか、記憶が定かではないのだけれど、

オンライン上のゲーマー達は、一斉に地震を話題にしたという。

もちろん、顔も名前も年齢も何処の誰だかわからないし、その時たまたまゲームの同じステージ上にいた人達。

今の揺れやばくね?

本が飛び出してきた!とか、呟きあっていたらしい。

でも、根がゲーム大好きだから、ゲームを中断することもなく、テレビか何かで情報を集めるでもなく、ダラダラとゲームは続いていたらしい。

そのうちの1人が変なサイレンが鳴ってるからヤバイみたい。と、呟いた。

避難した方がいいんじゃね?と、誰かが呟いた。

勿体ないからキリのいいところまでやる。

‥と、呟き、しばらくゲームしたのち、オンライン上から退出したらしい。

 

我が家で、次男を学校まで迎えに行こうという話が出た時、長男はまだオンラインゲームをしていた。

帰宅時間が読めないから、一緒に車で迎えに行って、晩御飯はそとで食べようと声をかけると、ゲームを辞めてリビングに降りてきて、ついていたテレビに釘付けになっていた。

彼はここで初めて地震の大きな揺れだけでなく、津波で大変なことになっていることを知ったらしかった。

次男を迎えに行く車の中で、オンラインゲーム上の会話の話をしてくれた。

『何処に住んでいる奴か、全くわからないんだけど、変なサイレンが鳴っているって言ってる奴がいてね、誰かが、避難した方がいいんじゃね?って言ったんだけど、ゲームのキリがいいところまでやるって直ぐには避難してないんだよね。大丈夫だったのかなぁ。』

大丈夫だったと思うしかない。

何処の誰だかさっぱりわからないんだから、調べようがないし、私達が心配してもどうにもならないもんね。

 

毎年この季節はテレビで津波の映像が流れて、その誰だかわからない人の安否が未だに気になってしまう。

津波に関係のないサイレンだったらいいのにな。

でも、その誰だかわからない人も津波に対してのんびり構えていたのか、全く関係ない地域だったのか、サイレンに対しての反応も気になってしまう。

数日前に震災の遺構として、津波の被害にあった建物を残したいのに、金銭的な問題で断念するケースが結構あるというニュースをやっていた。

また、感情的に見ると辛いから残して欲しくないという意見も少なくないらしい。

私は、2世代も3世代、いやもっと後の世代の人の為に残すべきだと思う。

今回もかなり内陸の方にここまで津波が来た事を知らせる石碑が建っていたらしい。

でも、何世代も津波の被害がなく生活が出来てしまうと、海辺や川の近くで暮らす方が便利な世の中になっていたら、過去に津波の被害があったことを忘れてしまう。

そして歴史が繰り返されたら悲しい。

でも、そんなことを言えるのは、関係ない地域に住んでいるからなのかもしれない。

 それにしても、その誰だかわからない人、無事でありますように。