最近、ちょっと心配なことが現実的になってきた。
私の実父93歳のこと。
じーちゃん(私の実父)は、弟ファミリーと名古屋で暮らしている。
東日本大震災の前年に弟ファミリーと同居するために、東京の家を畳んで名古屋へ引っ越している。
実母は60台で病で亡くなり、月に数回じーちゃんの様子を見に行っていた私は、親戚知り合いの殆どが東京在住なのに大丈夫かな‥と、思っていたが、地域の老人会に入り、貴重な男性会員ということもあり『人生最大のもて期』迎え(?)、それなりに楽しく過ごしていたようだ。
直近で、じーちゃんに会ったのは去年の11月、甥っ子君の結婚式。
その時も93歳にして自分の足でしっかり歩き、食欲も旺盛で、会話もしっかりしていたので、コロナが落ち着いたら東京駅まで迎えに行ってあげれば、また新幹線に乗ってお墓参りを兼ねて上京できるかな‥なんて思っていた。
ところが、老いというのは急にやってくるらしい。
弟夫妻より、連絡があり、腰と首の圧迫骨折が判明したとのこと。
圧迫骨折と聞くと、動けないのかなあ‥というイメージなんだけれど、確かに、布団から立ち上がるとか、しゃがむ‥というような姿勢はかなり辛そうにしているとのこと。
また、自分の部屋のシャッター雨戸の開け閉めはかなりきつく、代わりにやってくれ‥とお願いしてくるという。
それなのに、日課の散歩や、1時間かけての入浴も今まで通りこなせてしまうらしい。
そう聞くと、ホントに骨折しているの?なんて思ってしまうけれど‥。
当のじーちゃんも、酷い腰痛も歳だから仕方ないという認識で、頑なに医者に行くのを拒んで、結局1か月近く、安静にすればそのうち良くなるという態度だったらしい。
それが、弟がギックリ腰になってしまい、急遽病院行くことになった時、一緒に行きたいと言い出して、圧迫骨折が判明したという顛末だった。
実は1番危惧していたのが義妹で、彼女は3世代同居の家庭に育ち、祖母と両親を既に見送っている。
彼女の目には、圧迫骨折に見えていたようだし、自分の祖母や両親の老いのセオリーを見ているので、次に起こることが予想出来るからこそ、口煩く医者に行こうと勧めていたようだった。
一方のじいちゃん自身も私も弟も核家族として過ごしてきた。
だから、『人の老い方』は、じーちゃん自身にもお手本がないので、義妹がいなかったら、酷い腰痛も歳のせいで、本人が頑なに医者に行きたくないのなら、無理して連れていかなくてもいいかなあ‥なんてことになっていたと思う。
更にショッキングだったのが、フルーツヨーグルト、レンチン事件。
何を思ったか、フルーツヨーグルトをレンジにかけて、牛乳の凄い臭いが充満するなか、お粥と言い張って意地になって食べていたんだそう。
正直なところ、義妹との関係性が良くないのは、たまに会うだけでも感じるけれど、私が義妹の立場だったら、遠慮がない分、もっと酷いことになっていそうな気がする。
義妹曰く、このところ、食べ方もだらしなくなってきたし、怒りっぽいし‥とのこと。
足の爪が巻き爪な上に、酷い腰痛(圧迫骨折だったけれど)で、変な姿勢で爪切りをして血だらけになっていてもしれっとしているとか、ヤバい気配を感じている様子。
義妹には、このまま放置すると、大好きなお風呂も介助なしでは入れなくなるし、あの食べ方では誤嚥性肺炎で命を落とすかもしれないし‥と、彼女の見てきた老いのセオリーに当てはめると、心配事しか見えてこないようだ。
そこで、『介護保険』の認定を受けてもらおうと思ったようなのだけれど、じーちゃん激怒。
ええ、まだ認定を受けていなかったの?
実は、このコロナ禍で、老人会が中止になったり、活動の頻度がかなり減っていたので、機能維持の為のデイサービスに行く為に介護認定を受けてもらうという話が出たのは1年以上前。
本人にとっては、93歳で介護保険のお世話ならずに自立しているのが自慢のようだし、デイサービスにマイナスイメージを持っているようで、頑なに拒否していた。
そこで、私はメールや電話で、活動が減った老人会の穴を埋めるつもりで、デイサービスを利用することや、嫌なら認定だけ受けて利用しなくてもいいことや、我が家で同居していた義母は、楽しみに通っていた話を、何度もして、わかってくれていた雰囲気だったんだけどなあ。
弟夫妻の話を聞くと、この数ヶ月で、老いの階段を数段飛ばしで登ってしまった感じがする。
とりあえず、認定だけでも受けておかないと‥という弟夫妻の焦りは良くわかる。
近々、名古屋へお邪魔して、じーちゃんの様子を見に行きたいし、弟夫妻の援護射撃が出来れば‥と思っているが、なんだか気持ちが重い。
多分、『老いのセオリー』を見てきた義妹が1番正しい見方をしていると思うけれど、じーちゃんにとっては、弟や義妹も敵対している雰囲気で、更に埼玉から新たな敵がやってきたと思わせたら、余計に意固地にさせてしまうだろうし、待ったなし感は感じるし‥。
何だかどよんとした気持ちになってしまっている。