夫が唐突に言う。
『M (長男のこと)が赤ちゃんの頃、お尻に出来物が出来たよね。』
『うん、彼のお医者さんデビューは皮膚科で、肛門周囲炎だったよ。』
『薬付けておしまいだっけ?』
‥‥これは、きっとお尻に何か出来たな‥。
『えー、覚えてないの?外科処置デビューだったじゃない。見るのも怖いぐらい痛そうで、大泣き、大暴れで大変だったって話したよね。』(勿論、大嘘。笑。)
『そうだっけ。』(‥と、思いっきり暗い顔。)
『嘘ぴょーん。清潔にしてねー、と、お薬貰っておしまいだったよ。』
夫が言うには、肛門の近くにニキビみたいなモノが出来てしまい、座ると、痛痒いらしい。
深刻そうではないので、『見せて』、『嫌だ』と、お馬鹿な会話になって忘れていた。
今日、ドラッグストアへ行った。
先日のトイレットペーパー騒ぎで懲りて、2パック備蓄しているけれど、トイレの棚の在庫が無くなったので、買いに行くことにした。
すると、すかさず、『これ、買ってきて』と、メモを渡してきた。
聞き慣れない薬の名前が5、6個書いてあった。
『ケツの薬。ネットで調べたから、この中のどれでもいいから買ってきて。』
『えー、そんなマイナーな薬探すの面倒くさい。自分で行けばいいのに。』
結局、買ってきてあげることにしたけれど、
多分、皮膚病とか、インキ◯の薬のコーナーにあるんだろうな‥。
ホント、こーゆう恥ずかしい?薬を、買いに行かされるのは2回目。
1度目は、息子達のインキ◯疑惑の時。
『可愛い息子達が痒がっているんだから、買ってきてあげなよ。』‥と、言いつつ
我が家の男3人で、最終的には、キンカン塗って大騒ぎになった。
お下劣ワールドへようこそ的な話だが、良かったら、笑って欲しい。
私の半世紀にわたってのインキ◯の勘違いが解消された、無駄な知識を増やせるかもしれないお話が、こちら。↓
その昔、『恥ずかしい薬』を買いに行った時は、売り場に『かゆ〜い、インキン、タムシに。』などとデカデカとポップが出ているコーナーで、薬を探す羽目になった。
それから、かなりの時が経ち、そのような直截的な表現のポップは出ていないものの、
皮膚の腫れ、痒みのコーナーは、顔用、身体用、そのほか用に分かれていた。
当然、そのほか用にあるんだろうな‥と、思いつつ探していると、
♪夏は、股間が痒くなる〜痒くなる〜、らんらららんらら〜、デリケアエム◯♪‥
‥という、清々しいほど直截的で、1回聞いたら、直ぐに覚えてしまいそうな、お下劣な歌詞を歌い切るコマーシャルの、陰部の塗り薬をはじめ、その手の薬が並んでいた。
でも、夫がリストアップした薬はなかった。
それこそ、デリケアエム◯でも、買って帰ってやろうかな‥と、思っていたら、
『何か、お探しですか?』
マスクで顔が半分隠れているけれど、優しげなイケメン薬剤師さん。(笑)
『主人が、お尻に、デキモノが出来たみたいで‥。
ニキビの親分みたいなのが肛門のすぐ脇に出来たらしくて‥。
ネットで薬をリストアップしたというので、探しているんです。』
もう、何回、主人がー!と、言ったことか。(笑)
結局、夫がリストアップした薬は、ステロイドの成分が多くて、病院で診察を受けて、お医者さんに処方してもらわないと買えない薬で、普通のドラッグストアには置いていないモノだった。
薬剤師さんが、条件に合うモノを見繕ってくれて、無事にミッション終了。(笑)
夫に薬を渡すと、ありがとうの言葉と、共に、
『何でケツの薬が恥ずかしい薬なわけ?』だって。
『だから、丈夫な奴は、変な偏見があるから困るんだよね。』
うちでは、私と長男が、殆ど病院のお世話にならずにここまできている。
長男は、それこそ、インフルエンザで40度近い高熱を出しても、一晩爆睡して翌日は、治った気分の37度ぐらいに回復する頑丈さ。
それだけに、病院慣れしておらず、病院は、なんか怖いところというイメージと、病気についても大きな偏見があった。
今でも笑い話になるのが、泌尿器科についての大きな誤解。
夫が大病を患って、入院していた時のこと。
当時、息子達は高1と中3だった。
夫の入院している病棟へ行く時、いつも、泌尿器科の前を通る。
泌尿器科の前はいつも大混雑していたが、彼ら兄弟は、いつもその様子をビミョーな笑みを浮かべて見ていた。
当時、夫の治療はかなり深刻な状態なのに、彼らは、泌尿器科の前でニヤニヤして、
夫の病室前で不安げな顔になっていた。
ある時、次男が、ボソッと呟いた。『泌尿器科、混んでるね。』
長男は一瞬にしてニヤリ。
その会話がどうにも理解出来なくて、『どうして泌尿器科が混んでいると可笑しいの?』
『だって、泌尿器科は性病を治療するんでしょ?』
さすが、『中2病』世代の大きな勘違い。🤣
どうやら、彼らは、泌尿器科患者は、みんな性病患者だと思っていて、しかも大混雑しているから可笑しくて仕方なかったらしい。
どこから、そんな曲がった知識を仕入れたのかわからないけれど、
未だに、我が家では泌尿器科の文字を見ると、その時のことを思い出して大笑いになる。
もしかしたら、恥ずかしい?薬の発想も根っこが一緒かもしれない。(笑)