はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

建売住宅。

すごく不謹慎な話なんだけれど、昨年のように災害が多く、洪水被害にあったお宅の映像をテレビで観ていると、気の毒だなあという感情と同時に、なんて広いお宅なんでしょう‥なんて、思ってしまう。

ある時は、洪水の後の復旧作業で、ゴミの集積場所に軽トラックで畳30枚ぐらい持ち込んでため息をついているおじさん。

大変だろうな、気の毒だなぁ‥と、思いつつも、畳30枚って、1階だけでそんなにあるなんて、旅館みたいだよね‥なんて思ってしまったり。(うちなんて6枚だよ。)

家については、都市部とそうではない地域の格差ってとても大きい。

 

最初にそれを感じたのは、短大に入り友人が全国区になった時。

当時埼玉に住んでいた友人の1人が、『今、家を建て替えているから納屋に住んでいる。』と、愚痴をこぼしていた。

その納屋に簡易キッチンとトイレとシャワーをつけて暮らしているそうだが、所詮『簡易』なので、色々と不便だしもっと暑くなったら害虫が怖いと言っていた。

実家が兼業農家という別の友人は、共感していたが、正直なところ私は全く話の中身をイメージできなかった。

まず納屋と言われた時点で、100人乗っても大丈夫!のイナバ物置が頭に浮かんでしまったのでアウト。(笑)

そこに簡易キッチンとか作れるの?なんて思ったのだけど、声に出して言わなくてホントに良かった。(笑)

無事に家が完成し、友人数人でお邪魔した時は、彼女の新しい住まいの大きさにびっくりしたけれど、その納屋にもびっくり。

1階に農機具を収納し、トラクターを3台ぐらい置けそうなスペースに簡易キッチンやトイレ、シャワーを設置していたんだそう。

そして生活はその2階部分で。だだっ広い板の間だったらしいが、スペースとしては、今の私が住んでいる家より大きかったと思う。

その友人には、1度だけ、ちょっと見栄を張ったことがある。

『うちはね、ディズニーランドの花火が見えるんだよ。』

嘘はついていない。隣のマンションの間から手の平サイズの花火が見えるからね。(笑)

当時実家は、ディズニーランドまで30分ぐらいの立地にあった。

すると友人は、『今度、みんなで泊まってディズニーランド行こうよ。』

1人泊めるのがせいぜいだしうちの家族の気配が濃厚で落ち着かないよ‥と断ったが、

あの広い家に住んでいたら、『泊まりにおいで。』『泊まりに行きたい。』という台詞がすんなり出て来るのも不思議はないし、羨ましく思った。

 

 

現在の我が家はトカイナカ。(ちょっと田舎だけど、そこそこ便利な街。)

駅から徒歩5分のところにやる気のないサツマイモ畑があった。

それがだんだん畑面積が減り、半分が家庭菜園区画になっていったが、ここ数年は更に畑がバッタの楽園になっていた。

案の定、その一部に建売住宅があっという間に建った。

目の前は家庭菜園区画だったが、気の毒なことに、その建売住宅完成から1年も経たないうちに、家庭菜園区画に大規模開発の立て看板が立った。

その大規模開発は、40棟近い建売住宅が建つというもので、昨秋から工事が始まり、

現在は数棟完成し、残りも殆どが内装工事や外構工事を残すだけとなり、春には入居という感じ。

さすがに、街の景色がガラリと変わってきた。

 

当初は、先に建った建売住宅の住人は気の毒だなと思ったが、街灯の間隔も広く夜になると真っ暗な畑が家になれば門灯などの灯りも増えて明るくなることを期待していた。

でも‥。

建売業者は、その40棟だけの街作りという雰囲気で、元家庭菜園区画のど真ん中に新たな道を作り、その道に向かい合うようなレイアウトになっていた。

殆どの家が東向きか西向きに建っている。

半分は既存の道路に接していて南道路になるのに、玄関は北側に作りせっかくの南側は敷地いっぱいに建物が建ち、小さな窓があるのみで、最終的ににはブロック塀で囲ってしまうんだと思う。

だから家から灯りが漏れることもなく、道路側に2階建の家が並び、畑だったころと比べて圧迫感はあるしかえって暗くなりそうで、ガッカリ‥。

 

それにしても、見た目はオシャレなんだけれど、やっぱり業者は敷地を可能な限り細分化して沢山家を作って利益を出すぞーの見本のよう。

都心部では違和感がないかもしれないけれど、30坪の敷地に30坪の家を建て、車1台分の駐車スペースを確保するのが精一杯で、植物なんて植えるスペースはない。

それでも玄関側にはゴールドクレストのような小さな苗木を植えてあったけれど。

(この木はライトグリーンのもみの木のような見映えなんだけれど、あっという間に大きくなり、うちも苦労して抜いた経験がある。)

 

かつて転勤で見てきた都市部の3階建。隣の家との隙間が狭く、エアコンの室外機をやっと置けるような幅。

雑草が生えてきたら、おデブさんには草むしりも出来なさそう。(笑)

陽当たりなんて望めそうにもないけれど、都会の便利さを目一杯享受出来る環境の方が魅力的なんだろうな。

でも、うちの近辺は、そこまで都会ではない。

新しく建つ家の敷地はどんどん狭くなって行く。

これから人口が減っていくのに、新しい家ばかり作ってどうするんだろう。

しかも敷地が狭いから、実のなる庭木を植えたくても出来ないし、陽当たりもイマイチ。

太陽光発電や蓄電池の技術が進んでも、設置する為には駐車スペースを潰すしかない。

業者は、もっと先のことを考えればいいのにね‥などと、外野では勝手なことを言っている。

とはいえ、駅近物件なので、人気はあるらしく週末は若いファミリーが見学に来ている。

半年後、景色はがらりと変わっていそう。

近くに住んでいるくせに、久しぶりにやってきた長男は、酒飲んでたら迷ってしまうレベルの変貌と言い、私達は防災無線認知症のお年寄りの捜索放送が増えるんじゃないかと心配している。

 

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今年もシャコバサボテンが満開になりました。