はじめの1歩

子育て終了、時間と心の余裕が出来たのでイロイロ手を出してみます。

大きなクロちゃんが帰ってきた?

またまた、昔のお話です。

この家は、なぜか、頻繁に犬や猫が庭に入ってきました。

前回は、庭に入ってきた猫ちゃんのことを書きましたが、ワンコは3匹入ってきました。

猫のクロちゃんをお隣に引き取ってもらって数ヶ月後。

今度は庭に芝犬が入りこんでいました。

まだ、子供の芝犬だと思われましたが、すごく人なつこい。

首輪がついていたので、多分迷子ちゃんです。

ちゃんと躾られていたようで、犬を飼ったことのない私でも不思議と恐怖心もなく近ずくことが出来たほどでした。

でも、飼うことは出来ないし‥ということで、お隣さんに相談してしばらくうちで預かることになりました。

道路側にも小さな庭があり梅の木があるのでその梅の木の下が芝犬ちゃんの居場所。

ペットフードと、首輪につけるリードはお隣さんに用意していただき、夜は玄関に入れて夕方に散歩にも行きました。

ワンコって可愛いなあと、シミジミ思い始めた数日後。

飼い主さんがやってきて、お返しすることになりました。

愛犬家ネットワークってすごいですね。

お隣さんが、自分の犬を散歩させている時に『〇〇ちゃん(ワンコ)のママやパパ』に、うちで柴犬を預かっていることを話していたのです。

うちも敢えて道路側の庭に日中は芝犬ちゃんを繋いでいたので、犬の散歩の途中で見に来る人もいたほどでした。

夕方散歩に連れ出すと、同じく犬の散歩中の見知らぬ人から声をかけられるのですが、みなさん、事情を理解していました。

それで、早く飼い主が見つかったという訳でした。

芝犬をお返しした時は、息子2人は涙目になっていましたが、芝犬ちゃんが大喜びしている様子を見て納得したようでした。

 

そして、それからあまり経っていないある日の夕方のこと。

また、庭に黒い犬が入り込んでいて、山茶花の木の下でうずくまっていました。

見つけたのは長男で、『クロちゃんが大きくなって帰ってきた。』

そんな訳ないでしょと、思いながら庭に目をやると、『デカい。』

でも、グッタリしている様子。

芝犬ちゃんのドッグフードはお隣さんに返しちゃったし、お隣さんは丁度散歩に行っているようだったし、とりあえず、いいのかなと思いつつ6pチーズを3つと、植木鉢の受け皿に水を汲んでその黒い犬に差し出すと、必死に食べていました。

さーて、困った。

さすがに今度のワンコは大き過ぎて怖い。

だから、息子達にも庭に出ないように言っていたのですが、第1発見者の長男は気になるらしく、近所のお宅に勝手に相談しに行ったのです。

そのお宅は、数ヶ月前に飼っていた大型の犬が亡くなってしまい、庭に大きなゲージがまだ残されていたので、長男はこの人なら‥と思ったようでした。

気がつくと、その近所のお宅の奥さんと長男が庭に来ていました。

奥さん曰く、『クロちゃん、多分血統書付きだと思うから警察に届けた方がいいわよ。』

何でクロちゃん?長男がクロちゃんと呼んでいたので、自然とクロちゃんとみんなが呼ぶようになっていました。

『この犬はね、シェルティなんだけどね、普通のシェルティはもっと茶色いのよ。

この子は綺麗に真っ黒でしょ。だから血統書付きだと思うわ。だから落とし物として交番に届けた方がいいわよ。』

‥ということで、近所の奥さんにクロちゃんをみてもらい、近所の交番に行き落とし物として届けることにしました。

 

交番のおまわりさんに事情を話すと、『飼い主が見つかるまで飼えますか?』

血統書付きなら数日で見つかるだろうし、元気がなくて庭に繋いでいるいる犬を交番に連れて来てもそこから保健所に連れて行くことになるとのこと。

それならば‥ということでしばらく預かることになりました。

私が交番に行っている間にその奥さんがリードやらドッグフードを用意してくれ、日中は、南側の山茶花の木の下、雨の日と夜は玄関が、クロちゃんの居場所になりました。

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シェルティのクロちゃんです。

血統書付きと思われるクロちゃんですが、なかなか飼い主が見つかりません。

なるべく沢山散歩に行き、お隣さんも協力してくれていて愛犬家ネットワークにも知れ渡り、犬を散歩中の見知らぬ人から、『いっそのことあなたの犬にしちゃえば?』なんて、声をかけられ、ちょっとだけ有名人。

家の近所にも、犬を預かってますの張り紙をしていたせいか、何件かの問い合わせがありました。

でも、みんな怪しい。

『うちの子っぽいな。』と言ってたサラリーマンの人には、見て取れるほど、クロちゃんが警戒していたし、 

他の2人も、名前で呼ばないで、ワンコと言ってみたり、交番に届けてあるので、まず交番に行って手続きがあるのですが、と、伝えると、みんな引き下がります。

2週間以上経っても一向に飼い主は見つかりませんでした。

 

そんなある日、事件が起こりました。

クロちゃん、箱入り息子だったのか、相当なおぼっちゃま犬っぽいところがありました。

散歩中に他の犬に会うと、吠えるのです。どんなに相手がちっこいワンコでも吠えまくるのです。他の躾は完璧なのに。

私もど素人以下の飼い主でしたが、近隣の愛犬家の方達は事情を知っているので、上手くフォローしてくれていました。 

 しかし、その日は、相手のチワワちゃんも吠えまくり、クロちゃんはパニックになっていたようでした。

もちろん、私もパニックになりつつ、クロちゃんを押さえつけたのですが、その際に、クロちゃんの顔が私の足にぶつかり、Gパンが破れ私の足から血が滲んでいました。

その時のクロちゃんの顔、今でも忘れられません。

ハッと我に返って申し訳なさそうな顔をしていました。

相手のチワワちゃんの飼い主から、近所の奥さんに話が伝わり、奥さんが来てくれました。

野良犬じゃないけれど、クロちゃんの素性が分からないから、一応病院へ行った方がいいよと言われ、近所の形成外科へ。

傷は大したことはないけれど、狂犬病のワクチンをクロちゃんがしているかどうか分からないので私が予防接種を受けてきました。

そして、その日、近所の奥さんから、クロちゃんを引き取りたいと、切り出されました。

正直とても有り難く、お願いすることにしました。

その方は、私の親世代の年齢の方でしたが、数ヶ月前に、長年飼っていた茶色のシェルティを亡くしてペットロスになっていたそうです。

庭のゲージも、いくつかあった首輪やリードも処分する気になれなかった時に、うちにクロちゃんが迷いこんで来たことを知り、私が持て余し気味に見えたので、直ぐにでも引き取りたかったそうでしたが、ご主人が、ペットロスをもう2度と味わいたくないと反対して、悶々としていたそうです。

 

クロちゃんは、ご近所の奥さんにお願いしました。

結局、半年経っても飼い主は現れず、晴れてご近所さんのクロちゃんになりました。

クロちゃんのおぼっちゃまぶりは相変わらずで、雷が鳴ると、悲鳴のような鳴き声をあげ、近隣の花火大会の音に怯えて、気がつくと、いつの間にか、室内犬に。

それから、10年以上可愛がられていました。

晩年、クロちゃんに心臓に欠陥があることがわかり、動物病院で治療を受けた際に、

『クロちゃんは、種犬だったのではないか。躾はしっかりしているけれど社会性に欠けているし‥。確かに血統書付きといえるシェルティで、しかも黒いのは価値があるけれど、心臓に欠陥があるとわかって無価値になり、捨てられたんじゃないのかな。』

‥と、獣医さんに言われたそうです。

 

その後、今度は、白い犬が入りこんで来ましたが、しっしっと、追い返すと渋々出て行きました。

何で、うちの庭に動物が入り込むのかなと、ずっと思っていましたが、両隣の家は、犬を庭で飼っていたからかな、と、思っています。

ほんの少し前は、庭に犬小屋を置いてそこで飼っていたのに、両隣の家もいつの間にか室内で飼うようになり、庭に犬がいることがなくなりました。

思い返すと、それから犬が入り込む事はなくなり、たまに猫にクサイ落とし物をされるぐらいになりました。