長男が、小学生になったばかりのころのことです。
彼は、筋金入りの悪ガキで、授業参観に行けば、フルネームで3回は注意されるし、とにかく目立つ子供でした。
本人も、他のお友達が、同じことをしているのに、何で僕だけ怒られるの?という不満をいつも抱えているようでした。
授業参観で見る限りは、『私が先生だったら、Mちゃん(長男のこと)を注意するな。だって、Mちゃんが、ピシッとすると、他のお友達もピシッとしてるよ。』と、思うのですが、小学1年生では、やっぱり不満かな。
この日も、ホームルームの前に、時間を促す為なのか、音楽を放送していました。
曲は、アイネクライネナハトムジーク。
モーツァルトの曲ですが、何と説明したら良いのでしょう。
よく聞く機会のあるクラッシックなんですが。
小学1年生の我が長男ときたら、そのアイネクライネナハトムジークの最初のフレーズがとても気にいった様子で、そこだけ勝手に歌詞をつけて歌っていました。
🎵あーほ、ばーか、うんこマヌケ、あーほ、ばーか、うんこマヌケ‥
この歌詞だけで最初のフレーズだけを延々と上機嫌で歌っています。
よく言えば、インフルエンサーともいえる存在だったので、周りのお友達も真似して
🎵あーほ、ばーか、うんこマヌケ‥の大合唱。
幸いベテランの先生が担任だったので、丸く収めてスムーズに授業に入っていったようでした。
でも、授業参観でこれでは‥と、白い目で見ていた保護者も何名かいらしたようでした。
聞こえよがしに『ちゃんと躾て頂きたいわ。』と、言ってくる人もいました。
心の中では、『はあ?お宅のバカ息子だって大差ないのに、偉そうに‥。』なーんて、腹わた煮えくりかえっていたのですが、小心者なので聞こえないフリしていたんですけどね。(笑)
私の中では、うん◯とか、ちんち◯とかのお下劣ワードに真っ先に反応する男の子って、小学校低学年でよくいた悪ガキのイメージで、まさに奴のことだなと思っていたのです。
注意されればすぐやめるので、構ってちゃんなのかな、とも思っていました。
とにかく、彼は、4月生まれで体も大きく何をしても目立つ。幼稚園の頃から、売られた喧嘩は必ず買って大騒ぎになっていたので、躾のハードルは多少低かったかもしれません。
女の子に暴力を振るうのは、サイテー。絶対ダメ。
売られた喧嘩でも相手に怪我をさせたら、全部自分が悪いことになってしまう。
この2つだけは厳しく言ったけれども、目立つことは決してマイナスじゃないし、
多少騒いでも授業妨害になっていないようなので、まあいいか。と。
その後は、相変わらずステレオタイプの可愛い悪ガキで、大きなトラブルもなく過ごしていたのですが。
『ちゃんと躾て頂きたいわ』の、あの嫌味な母親に無意識のうちに私が反応していたようでした。
確かによく言えば元気な子供ですが、もしかしたら大人しい子供からみたら恐怖の対象かもしれないし、また、自分のバカ息子も大差ない悪ガキなのにあの嫌味な母親に、スキを見せたくないという思考回路になっていたようでした。
しかも我が長男、小学生低学年の男の子のあるあるで、朝、突然図工で、〇〇がいるなどと言いだしたり、連絡帳を学校に置きっ放しにしていたり、とにかくだらしない。
次男が、逆にその点はしっかりしていたこともあり、そういうだらしないことが許せないし、朝の戦場のような時間帯に、がーっと叱りつけてしまいます。
送り出した後には、自己嫌悪に落ちていたのですが、長男にとっても朝から最悪の出来事だったようで、高確率で、学校でトラブルを起こしてくれます。
消火器を倒しました。
〇〇君と殴りあいの喧嘩をしました。‥とか。
喧嘩は学校側は、喧嘩両成敗的な扱いだったし、怪我したのは息子のほうだったので、
あの嫌味な母親に謝らずに済んだし。(って、私もオトナゲない)
家に帰っても気まずい空気が流れていました。
朝、がーっと叱ったのが悪いよねと、私は思っていたし、長男も反省してるっぽい。
そこで、『お仕置きはちゅーだね。』
っと、長男の頭を抱え込みつむじのあたりにチュー連発。
実は、長男は、意外とシャイ なので嫌がられるかなと内心ヒヤヒヤしていました。
でも、嬉しそう。良かった。
この日以降、トラブルはゼロではないのですが、ほぼ無くなりました。
でも、親にされたことは、必ず、弟にやる長男。
『T(次男のこと)、悪い子だから、お仕置きする!』と言って、因縁をつけ羽交い締めにしてつむじのあたりにチューの雨を降らせていました。
それから、20年以上経った今でも、
『お仕置きにちゅーするぞ』という兄弟の会話が。
長男27歳、次男26歳。
この会話だけを聞かれたら、かなりヤバいですよね。(笑)