病院友達。
夫が昔、大病を患った時、知り合った方のこと。
もう11年も前のこと。夫は喉に悪いデキモノが出来て大変な思いをした。
『あと1ヶ月病院に来るのが遅かったら、ホスピスしか紹介できなかった。見つかって良かった。頑張りましょう。』
と、言われて、本人も私も頭の中が真っ白。
それから、検査入院、病理検査などののち、治療開始。
夫の場合は、放射線治療を受けることになった。
治療そのものは、ものの10分ぐらいでも、待ち時間が多く、
患者さんの中には、この人見たことあるなあ‥という方が何人かいた。
そのうちの1人の奥さんにある日、話かけられた。
『o 先生の患者さんですか』
『はい。あなたも?』
聞くと、この方のご主人も夫と同じ病で1ヵ月前から治療中とのことで、
病気としては、一般的にも数が少ないのに、その年は夫が2人目らしい。
その方とは、お互いに年齢も近くすぐにアドレスを交換し、私にとって心強い存在となった。
治療の方は、その方は放射線治療のち外科手術で寛解(とりあえず治った状態。)、
夫は放射線治療で寛解に持ち込んだももの、再発予防の治療メニューで再発し、
結局外科手術を受けることになった。
この時の数ヶ月間、不安で不安で不安で、本人はあまり記憶がないようだし
私も思い出したくないほど、精神的にもキツイ日々だった。
でも、2人とも無事に生還。
退院後は、再発予防の情報を交換したり、時々お茶したり。
彼女は、ナースだった。(o先生には伏せていたけれど)
だから、深刻な病状の説明にもすごく冷静(に見えたし)
ご主人も標準治療を素直に受けて、良い結果を勝ち取った感じだった。
夫は、同じ治療でも副作用が強く出たり、再発までしたので、標準治療でいいのか?といつも悩んでいた状態だった。
(標準治療というのは、その病気に対して1番効果があると認められた治療のこと。
標準という名前から、これが真ん中というイメージがあるが、お金出せばもっといいランクの治療方法があるよということではない。)
その時の私は、高額な免疫治療や(真剣に調べたらぶっ飛ぶほど高額だった)、漢方、など並行していろいろなことを考えていた。
でも、冷静な彼女を見て、所謂怪しげな治療を否定できていたような精神状態だった。
お互いの夫達も健康を取り戻し、数年経つと、年に数回のメールのやりとりだけの付き合いになった。
ある年、私は、義母の入院とか諸々の事情で忙しく、彼女からのメールに返信できないでいた。
ホントになんの考えもなく、目の前のことに追われて数ヶ月後、
ノー天気に、元気よ〜んとやっと返信した。
そしたら、『本当に良かった。何かあったのでは、と、怖かった。これが、病院友達の怖いところなのよね。』
そして、一昨年、メールしたきり返信がない。
怖くて私もメールできないでいる。