この話は、うちの長男が高校生のころのお話です。
もう10年ぐらい前になります。
当時の彼は腰ぱんで、眉毛も細めに整えていて
通学用のハルタのローファーのかかとを潰して履いて‥。
腰ぱんってもう絶滅危惧種かな。
ズボンをわざとずらして、だらし無くはくことを言います。
眉毛を整えるのは、日ハムに行く高校球児の吉田輝星君もやってるし
今は身だしなみかもしれないけど、
当時は一生懸命、カッコつけているような高校生です。
でも、通学の電車の中で、見ず知らずのおばちゃんに、
『あんた、パンツ見えているわよ。ちゃんとはきなさい。』
と、注意されたとか。
まあ、頑張ってカッコつけてるけど、見ず知らずののおばちゃんに注意されるようなスキのある高校生を思い浮かべながら、続きを読んで下さい。
ある日、住民票だか何だかの書類が必要になりました。
自分のことだし、自分で市役所に行くと、意気揚々として出かけたのですが。
高校生ぐらいって、しっかりしていそうで実は何にもわかってない。
大人なら、市役所で何か証明書類を取るなら、とりあえず、ハンコと身分証明書になるものを持っていきますが。
ハンコは無くても大丈夫でしたが、案の定、身分証明書が必要になりました。
『保健証もってる?』『いいえ』
『じゃあ、生徒手帳は?』『いいえ』
一応、書類の申請者の身分確認の必要があるようでしたが、
市役所の人も、住所や世帯主の名前などの質問に切り替えて
無事に証明書を発行してくれたそうです。
でも、彼の中で引っかかっていたことが。
『あなたの干支はなんですか?』
『おうし座です』(キリッ)
『おうし座じゃなくて、干支はなんですか?』
『おうし?ですけど。』
『まあ、いいでしょう』
という会話をしてきたそうです。
彼の中で引っかかっていたというのは、なんと、
『おうし座って4月下旬生まれだよね。間違ってないよね』
これには大爆笑。
市役所の人も「笑ってはいけない地獄」に落ちていたと思います。
本人確認の手段として、住所、誕生日、世帯主などの質問のほかに
干支を質問することがあるそうです。
なりすましているケースでは、咄嗟に答えられないからだそうですが、
彼の場合は、干支そのものを理解していなかったのです。
そういえば、彼はまともに年賀状を書いたことがありませんでした。
小学生の頃は担任の先生が年賀状をくれたので、慌てて書かせていたし、
中学、高校生になると、携帯電話が普及していたので
もっぱら『あけおめメール』
私達でも、年末年始は干支を意識していても、3月ごろになると
今年の干支ってなんだっけ?なんて感じですし。
毎年この季節になると、年賀状に対して面倒くさいとか
虚礼廃止したいとかいろいろ話題になりますが、
やっぱり、面倒でも子供にはちゃんと年賀状の風習を体験させておかないと
うちの長男のような人って意外と多いかもしれないと思います。
ちなみに、彼は自分の干支は子羊だと思っているかもしれません。
だって、自分の干支を忘れそうというので、
『哀れな子羊って覚えれば?』なんて軽口たたいてしまったんですもの。